2015年9月10日木曜日

あまちゃんをつなぐ3つのメタファー

NHKドラマ『あまちゃん』を見ました。

今っ?

はい、たまたまその頃忙しかったし、流行に乗るのとか、なんて意固地になっちゃって(笑)
今になってDVDで13巻見終わりました。

宮藤官九郎の手法にはほんとすごいと思わされることが多くて、

まだ、十分に消化しきれてないので詳細に関する話は今回はおいておきますが、

ストーリーの骨格を形成する3つの重要なメタファーを見つけたのでここに挙げておきます。

1.行動することは水に入ることである
これはアキがおばあちゃんに背中を押されて、海に飛び込むところの周辺ですね。
「海の中では何が起こるかわからない。わからないんだから、後先考えずに、まず飛び込んでみろ」という趣旨のあたりですね。


2.アイドルは琥珀である
琥珀発掘家のもとで修行し(たふりをし)ていたミズタクこと水口君は、アイドルのマネージャーであることを明かした際、「お前のやってることも、一緒だろ」といった趣旨の送別の言葉を師匠からもらいます。そのときは、水口君も視聴者もピンとこないんですが、話が展開してほんと、よく似てるよね、と思わされるようになります。

3.未來は前である、人生は旅である。
これはエンディングの場面。クリシェですね。主人公の二人の少女(から大人になった女の子たち)
が震災で壊れた線路の向こうへ、トンネルを抜けて光の中へ二人で楽し気に進んでいく場面です。未來には何が待ち構えているかわからない。それでも恐れないで明るく歩いていこう。という図柄ですね。ありがちですが、エンディングにはポエティックな要素が入るという言語人類学者片岡邦好さんの話とも符合します。

これら、とくに、1と2は、もっと深層的なメタファーに読み直す必要があるのでしょうが、それ自体はあまり困難なことではないと思います。(言語学者の方へ:Gradyのやったことは、考えれば、生成文法でいうと変形から「原理とパラミータ」へパラダイムを変換したのと相似的ですね)ドラマや物語を包括する大きなメタファーの実例として上げておきます。


2015年9月2日水曜日

映画評 スワロウテイル

面白かった。『リリーシュシュのすべて』の監督岩井俊二の代表作。

ネタバレ注意





あらすじ Wikiより

"円"が世界で一番強かった時代。一攫千金を求めて日本にやってきた外国人達は、街を"円都(イェン・タウン)"と呼び、日本人達は住み着いた違法労働者達を"円盗(イェン・タウン)"と呼んで卑しんだ。そんな円都に住む、円盗たちの物語である。
少女・アゲハ(伊藤歩)は、円都の娼婦であり唯一の肉親である母が死んでしまい、行き場がなくなってしまう。母の同僚の無責任な大人達にたらい回しにされる中、娼婦グリコ(CHARA)の元に引き取られる。胸に蝶のタトゥーをつけ美しい歌を歌うグリコは、それまで名前がなかった彼女に"アゲハ"の名前を与える。グリコもまた、"円"を夢見て上海から日本にやってきた円盗だった。彼女の周りにいるのも、彼女と同じように円を求めて日本にやってきた円盗達だ。アゲハが彼らと共に過ごして数日経ったある日、アゲハを強姦しようとしたヤクザを誤って死なせてしまう。彼の体内には一万円札の磁気データが記録されたカセットテープが入っていた。
ひょんなことから一攫千金のチャンスを得た彼ら。データを元に作った偽札で儲け、グリコは歌手としての道を歩むが……。


ええ~だね。いろんなことが。思ったより古い(1996年)。三上博史が若い!伊藤歩ってあの?普通の女優になったソラニンにでてた伊藤歩?ええ?ええ?チャラってかわいかったんだ。
などなど。
岩井俊二は耽美的だなぁ。ヴィスコンティを思わせる。綺麗な映像。
あと、金を破ったり、燃やしたりするシーンが出てくる。
リリーシュシュでも、初めて売春をさせられた子がその金を泥の中に落として踏みにじる場面がでてくる。
耽美派なんだなぁ。エモーションを描こうとしてる。
三上博史でよかったのか?
うさん臭い似非実業家のような感じにしたかったのか?
光沢(つや)がありすぎたぞ、三上の顔。
伊藤歩の、中国福建省の茶葉の宣伝にでてくるような少女性。
やはり、時代なのか。Yen Town。 中国がほのかな郷愁の宛先だったのか、1996年。

円盗(イェンタウン)[編集]

グリコ - CHARA
上海出身の円盗で、娼婦をしている。本名は「小蝶」。小説版ではフィリピン出身。元々は三人兄弟の末っ子だったが、兄の一人が交通事故で命を落とし、もう一人の兄とも生き別れになってしまう。人を魅了する歌を歌い、テープ騒動の後は「YEN TOWN CLUB」で歌ったことから「YEN TOWN BAND」のボーカルという形で歌手の道を目指す。

とてもよかったです。どうして女優の道に進まなかったか。

アゲハ - 伊藤歩
娼婦の母親を持っていた円盗二世。母親がドラッグの密売に手を出したために円盗の上海流氓に殺害され、その後大人達をたらいまわしにされた挙句グリコ達の元で働くことになる。グリコとフェイホンが離れていく中、偽札を使って幸せを取り戻そうとする。

ほんま、普通の女優伊藤歩と思えません。このころは、ブスでかつ味がある。というか、見出した人、すごいですね。

ヒオ・フェイホン(火飞鴻) - 三上博史
上海系の円盗で、グリコの恋人。テープ事件の後は「YEN TOWN CLUB」の実質上オーナーとなる。グリコに歌手になることを直接望んだ人物。グリコが「YEN TOWN BAND」のボーカルとして成功する中、自分自身は星野の策略で警察に逮捕され、徐々に転落していくことになる。小説版でのグリコの兄である「フニクラ」とキャラが統一されている。

うん、かっこ良すぎなのでは。ともかく、艶がありすぎて、やつれた感じ、寂れた感じがでてない。

リョウ・リャンキ(劉梁魁) - 江口洋介
グリコの生き別れの兄であり、若いながら円盗の上海系流氓を率いる円都の顔役的存在。偽造の名手であり、葛飾組の須藤に奪われた一万円札の磁気データ入りの「マイ・ウェイ」のテープを探している。敵には容赦が無いが、"イェンタウン・ホワイト"というドラッグを打って意識不明になったアゲハを介抱するなど、気のいい一面もある。

いやぁ。若き日の江口の良さ、最大限に引き出した訳かもしれません。

ラン(狼朗) - 渡部篤郎
なんでも屋「青空」の店主。国籍不明だが小説版では「リン」という名称で韓国人という事になっている。「青空」に二人の子供と一緒に暮らしている。クールな性格で、テープ騒動で他の円盗が浮かれている時も自分の生活を崩そうとしなかった。正体はとある諜報組織に所属する殺し屋であり、超一流のスナイパーである。普段は無愛想だが、自分のコネや技術などを仲間のために使うこともある。
小説版では彼が岩井の別作品である『FRIED DRAGON FISH』に登場する少年の殺し屋・ナツロウと同一人物であることが示されており、彼のボスであるトビヤマも、名前だけ小説中に登場する。

かっこいいです。この時期の渡部さんの芸能界での位置づけがわかりません。

レイコ - 大塚寧々
グリコと同じ娼婦。エキセントリックな振る舞いが目立つ。鈴木野と上海系流氓にグリコの情報を売り渡す。

エキセントリックです。エロかわいいです。登場時間が少ない割にすごく目立ちます。

本田 - 田口トモロヲ
音楽会社「マッシュレコード」のスカウトマン。「YEN TOWN CLUB」に出入りし、「YEN TOWN BAND」にデビューすることを持ちかける。
楠木 - 鈴木慶一
音楽会社「マッシュレコード」の重役。グリコに日本人としてデビューすることを薦める。

このあたりにこのあたりの人がでてるんですか~すごいですね!

須藤寛治 - 塩見三省
葛飾組のヤクザ。上海流氓から「マイ・ウェイ」のテープを奪った人物。アゲハに乱暴しようとしてアーロウに窓から突き落とされ、交通事故死する。

ええええええええっ! あまちゃんの勉さん?????ヤクザ!

葛飾組組長 - 渡辺哲
葛飾組の組長。リャンキの「マイ・ウェイ」テープの略奪を指示した人物。

シェンメイ(春梅) - 山口智子
ランと同じ諜報組織に所属する殺し屋。ランの相棒的存在のスナイパー。小説版では彼女の代わりに「ノスリ」という男の殺し屋が登場する。

かっこいいね~

ロック・ドク - ミッキー・カーチス
最底辺の円盗が住む「阿片街」で病院を営む医者。刺青師でもあり、グリコの刺青を彫った。

えええええ。日本人だと思ってた。

以上です。