2015年8月16日日曜日

映画評 『真夜中の弥次さん喜多さん』 とてもよかった。

不思議な映画でした。


ネタバレ注意






クドカン初監督作品で、十返舎 一九先生のこの作品をば取り上げるってことは、クドカンっててっきりゲイ?と思ったけど、後でロールを見たらしりあがり寿の原作があるってことでゲイ疑惑は中断。

弥次さん喜多さんっていうと、仲のいい友達二人旅のようだけど、一九の小説では、弥次さんは商家の放蕩息子崩れで49才、喜多さんは、陰間で29才というまあ、男女でいえば、部長とOL、あるいは、金持ちのニート息子→オヤジが年増のキャバ嬢に入れあげて借金まみれでハワイだか北欧オーロラツアーだかに行く感じ?

あらすじ[編集] Wikiより

ワイルドで男らしい弥次郎兵衛(弥次さん)と美貌の役者・喜多八(喜多さん)は、ディープに愛し合う恋人同士。しかし弥次さんには妻(お初)がおり、一方の喜多さんは重度のヤク中で、“リヤル”を実感することが出来ずにいた。ある時ふとした弾みでお初を死なせた弥次さんは、喜多さんを伴って薄っぺらな江戸の町を飛び出し、参拝すれば全ての困難が昇華するお伊勢様を目指して“てめぇ探しの旅”に出発する。
しかし、行く手には笑いをとらないと通れない関所、おはようからおやすみまで全ての言動を歌い踊ることで表現しなければならない町、アーサー王のとろろ汁屋など奇天烈な関門が待ち受けていた。 そして、ついに名峰富士の絶景が拝める吉原にて、最大の試練が降りかかる―――。 リヤルと幻想、愛と生死が交錯する二人の旅路は、果たしてどこにたどり着くのだろうか?

ロードムービーっていうのだな。で、バディムービーでもあるのだな。

残念だったところは、伊勢までいかなかったところ。

面白かったところは、蘇った(偽の)弥次さんが、お伊勢さんに連れていくといって、平成新宿の「伊勢丹」につれていくとこ。幻想なので突っ込むとしわしわと消えていく弥次さんに、「そ、だよね、うん、お伊勢たん、いこう」って合わせる喜多さん。

シュールで、スラップスティック、スラップスティックによくあるのかもしれないが、内容と枠組みの相互作用がでてくる。そこのはブレンド(融合理論の融合)がある。たとえば、最初の方の場面。

***
弥次喜多がアメリカンなバイク!に乗って、現代の高速をつっぱしって、伊勢の近くまで(高速の「伊勢3Km」の緑色の看板)。(弥次喜多は道中姿にちょんまげ、それにちょんまげのついたヘルメットを被っている)

後ろから、岡っ引きの寺島進がやってくる。スクーターにのって十手をもって。

んで、「100kmでてたよ、60kmスピード違反だよ」、と。

この時点で

警官
スピード違反者
バイク
警棒



岡っ引き
スピード違反者
歩き?籠?馬?
十手

という風に、江戸時代の旅行(Input space 1)と現代の旅行(Input space 2)がブレンドされている。

さらに、スピード違反から、寺島進は、次のように怒る。

「江戸時代なら歩くんだよ!みんなああやって(籠を指さし)歩いたり走ったりしてるんだよ」

これはさっきの指摘からちょっと進んでるね。なにがかわからないけど。スピード違反というのは、単に一方のスペースの参与者の知識だけど、「江戸時代ならバイクはつかっちゃいけない」というのは両者の存在を知っている人である必要があり、ブレンドスペースで初めて登場する創発構造だ。


寺島はさらに、一歩踏み出す。

「だいたい、これなに?」(周りを指差す)「何やってるの?」

こたえて、(長瀬)弥次さん  「はあ、ロケです」

寺島 「だめだよ、こんなところでロケなんかやっちゃ。」

ここで、さらにスペースが枠を超える。映画の世界のスペースと現実世界のスペースだ。



さてさて、内容に関しては立ち入らないとして、かなりぶっ飛んでいる。かなりグロいし、かなり妄想的だし、かなりシュールだ。

登場人物、役者考。すごい人数にすごい配役。

これはどうだったんでしょうか。まあ、長瀬君を中心とした映画です。

この人は初めて見ましたが、はぁ、いいですね。カブキはダンスなのかと思い至りました。歌もいいですよ。
遠山の金さんのパロディ。まあ、この方はこの方らしいということで。

いいなと思いました。最後の場面の素の顔が意外に少女っぽいのですね。

ノンノン。最後までだれかわかりませんでした。かつらをかぶると美男子に見えますね。

仕切り方が面白かったです。

上記。

この人は元は何してた人?

竹内力しかできない役、この人をぜひ持ってきたい役っていうのがありますね。

笑わない顔。が面白い。能面のように悲壮な顔。子供と関所で泣き別れになる役でした。現実にお子様をなくされてるという話。

クドカン作品の常連。

IKKOみたいな顔で歌いまくる茶屋オネエママ。

CDが売れている江戸時代の謎の人気者

近未来的な装いでかっこいい研ナオコ。

「夜でもアーサー」というキャッチフレーズのとろろ汁や亭主。エクスカリバーを使って商売をする。

このあたりも懐かしい顔というか。

ちょっと注目しているARATA (『蛇にピアス』以来)。数奇な役で出ていました。

ちょっと注目している麻生久美子(『モテキ』以来)。全裸でキノコが体に生えている役で甘い声を聞かせていました。

この人は、演技がうまいのかなんなのか。

こんな使い方ってあるんですか?3分くらいしかでていない。











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