2011年8月13日土曜日

曾根崎心中

読み終わる。近松は本当に天才だな。日本のシェークスピアか。

先日劇団ひまわりで聞いた大阪支社長の話では、演劇というのは能(=オペラ)と異なり、大衆芸術で、民主化の発展と連動しているそうだ。


ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare1564426日(洗礼日) - 1616423(グレゴリオ暦53)
近松 門左衛門(ちかまつ もんざえもん、近松門左衞門、1653年(承応2年) -172516日(享保91122日)


ほぼ百年を隔ててはいるがイギリスと日本の経済社会の発展段階と重ね合わせれば時期が近いのは偶然ではなかろう。



徳兵衛がお初の女郎屋に隠れている。
客は徳兵衛をはめて金をだまし取った男。
客に見えないお初の足下の徳兵衛に向かって初が独り言めかして言う。

頼もしだてが身のひしで、欺されさんしたものなれども、
証拠なければ、理も立たず、この上は徳様も死なねばならぬしななるが、
死ぬる覚悟が聞きたい

と、足で問う。徳兵衛はうちうなずき、足首をとって、喉笛を撫でる。

首を掻っ切るしぐさを自分ではなく女の、手ではなく足で行う。

ああ、なんというブレンド。なんというエロスの極致。

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