2011年8月14日日曜日

荒井由実

へ~こんなことができるんだ。ことばってすごいな、って思ったのがユーミンの詞だった。今思えば認知言語学でいうメトニミーである。

すこしだけにじんだアドレス
扉に はさんで
帰るわ
あの日に       (荒井由実 あの日に帰りたい)

にじんでいるのは、アドレスを書いた文字のインク
はさんだのは、アドレスを書いた紙

にじんだアドレス扉にはさんで、という4つの事物(にじむ、アドレス、扉、はさむ)だけで、全体の像と情感が浮かび上がる。なんという情報効率!

付け加えれば、にじんでいる悲しい作者の気持ち(実際に涙でぬれたのかもしれない)は、モノと感情を二重写しにしているからメタファーで、最後も帰る先は場所ではなくて過去の時間と<<時間は場所>>メタファーで締めくくって遠い目をしている。


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