2011年10月5日水曜日

記憶とメタ記憶

三島由紀夫の作品で、カナダかどこかにいる既婚女性が、街の朝食屋かどこかで毎日会う、近所の外国人に口説かれるという小説のことを覚えているのだが、そして、それを読んでいた漠然とした雰囲気(格子のあるベッドで割と広い部屋で)を覚えているのだが、それがいつどこで、その小説がなんという名前だったか、覚えていない。これは記憶はあるが記憶のラベルがない例。



一方で、何かのことを想起していたのは覚えているのだが、それが何だったか思い出せないことは皆さんにもよくあるのではないだろうか。これは記憶のラベルはあるが、記憶はない例。

このように、記憶は少なくとも、記憶部分と記憶に対する記憶部分で成り立っていると考えることがいえよう。(昔、tying the knot:結び目を作る)という論文をMetaphor and Symbolic Activitiesか何かで読んだことがある。結び目を作ることによって、何かを思い出すべきことがあるということを覚えておくという習慣とメタ記憶についてだった)

ということで記憶とメタ記憶。

そして、関連性理論の情報意図と伝達意図は、伝えることと、伝えることを伝えるという意味で、伝達とメタ伝達といえよう。

記憶とメタ記憶、伝達とメタ伝達を相似的に捉えることで、見えてくるものがあるかもしれない。

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