2012年1月7日土曜日

火烤り

カラスミをいただく。パッケージの裏に書いてあるのがこの写真だ。

「お召し上がりくださり」 もご愛敬だが、言語の保守性の観点から注目したいのは、「火烤り」である。「ひあぶり」と読むのだと思うが以下に繰り返す。

二、次に金網にのせて「弱火」で裏表を繰り返し火烤りしながらさらにお酒を軽くお塗り下さい。
三、火烤りの方法は裏表を、一、二分間ずつ火烤りするのが適当です。

火烤りというと何ではないかい、昔の、あの人間を処刑するやつでは?

そんでもって、これはメタファーでは多分なかろう。人間をあぶるのと鶏肉やカラスミをあぶるのでは領域が違うと思えないからだ。にも関わらず、ある種の意味はある種の表現(この場合は複合語)として固定している。そしてそれは、(私がシンポジウムで述べたように)メタファーに限らない。

思うに、これは昔(といっても『文法と語形成』などで)景山太郎先生が主張された、語彙化が意味の特殊化を伴うといった現象の一例と考えればいいのではないか。そして、必要があれば、イディオム化を語彙化の下位範疇に入れればいいのではないか、と考える。

などとうんちくを垂れながら美味しいカラスミをぼりぼりむさぼる。文句を言っては罰があたる。野田姉、ありがとう^^

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